年の差恋愛

頼れるは、年上の男

…2人で食事を共にした市来部長と亜美は、会社での関係も、少しばかり落ち着いていた。前ほど仕事は頼まないが、簡単な仕事を亜美に、任せる。

亜美も大分仕事にも慣れ、遅かった仕事も早くなってきた。

そのおかげか、亜美は仕事が楽しくて仕方ない。

「…亜美、もう仕事終わる?」

金曜の定時前、健斗が亜美に問いかけた。

「…うん、もう終わるよ。どうしたの?」
「…これから、どっか食べに行かないか?」

「…あー、うん。…行こうか」

健斗の返事をまだしてない。そろそろしないと行けないなと、亜美も思っていたところだったので、食事に行く事にした。

健斗とは、気を許してなんでも話せる仲だ。一緒にいるのも楽しいし、飽きない。でも、やっぱり付き合うとか、健斗が彼氏になるとか、亜美の中では考えられない。

食事を済ませ、駅まで2人でのんびり歩いていく。

「今日は楽しかった〜。誘ってくれてありがとう、健斗君」

「いや、俺も楽しかった。また、行こう」
「…うん、でも、それは友達としてね」

亜美の言葉に、健斗は足を止めた。

「…それって、答え?」
「……うん、そう」

亜美も足を止め、健斗の方に振り返った。

「…好きな奴、いないんだろ?」
「…」

健斗の言葉に、亜美は意味深な笑みを浮かべる。

「…いるのか?」
「…うん…最近やっと自覚した…完璧片想いだけどね?」
< 26 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop