年の差恋愛

狙われた婚約者

もう二度と離れないと誓い合った2人は、再び、亜美の実家を訪れていた。

「…それで、茂は、仕事を辞めなくてよくなったと?」

事の次第を説明され、洋一は茂に問いかける。茂は、深く頷くと、話を続けた。

「…大変ご迷惑をおかけしました。でも、もう、こんな事がないように、以後気を付けます。ですから、もう一度、亜美さんとの結婚を認めてもらおうと、伺った次第です」

「…亜美は、本当にこの男でいいのか?本当に、一生後悔はしないんだな?」

「…はい。私の事をこんなにも想ってくれる人は、他にはいないと思います。だから、私は茂さんと、結婚したいです」

茂と亜美を交互に見た洋一は溜息をついた。

「…洋一、もういいんじゃない?こんなに真剣に付き合って、大きな壁を一つ2人で乗り越えたじゃない。認めてあげましょう?」

最後は、あけみの一言。

…もう、反対する理由は、今の洋一にはない。

「…わかった。2人の交際は認めよう。でも、そんなに焦って結婚しなくても、もうしばらく付き合ってからでもいいんじゃないか?」

「洋一!いい加減にしなさいよ?」

「…」

「…洋ちゃん、お願いします」
2人の大好きな女性から、お願いされては、もう何も言えない。

「わかった、わかったよ!結婚しろ!その代わり、さっさと孫の顔を見せろ!二年以内にな」

「ありがとうございます、洋一さん」
「ありがとう、パパ」

「パパって言うな!洋ちゃんだろ」

亜美は泣き笑いしながら、洋一に抱きついた。
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