さくら、咲く頃あなたには

「気をつけてねー」

みんなに見送られ、
エコバッグを持った手を無理やり動かし
手を振り返す。

少し後ろにいる転校生に
話しかけるべきか待つべきか
色々頭を巡るけど結局、何も言わず
私は歩き始めた。

色々頭を巡らせて、ハッと気づいた。

この人は私を知っていたのか…と。

同じクラスと言っても
彼の周りはいつも誰かがいて
囲まれた外の人間を認識する事なんて
ないような気がする。

今日、うちに来て同じ高校だったと
知った程度じゃないかと思われる。


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