百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


すると、私の視界に、銃口から細く煙を出す金色の鬼火銃が入った。

その持ち主を、私は顔をゆっくりと上げて見る。


“彼”は、狐の面をつけたまま、私の前に立っていた。


「……あす……ま………?」


私が掠れた声でそう呟くと
八雲が動揺を隠せない顔で叫んだ。


「ど……どういうことだ…?!

狐の面を付けられた以上、意識も、行動も、全てこちらが操れるはずなのに!」


八雲は、激しくうろたえて、遊馬に向かって叫んだ。


「ま…まさか、面の故障…?!いや…そんなはず……。

おい、貴様!カンパニーを裏切るつもりか……!!」


すると、ずっと聞きたかった声が

広場に響いた。


「“裏切る”………?

何言ってんだ、お前……?」


私も、周くんも、“彼”から目が離せない。


「…なぜ喋れる…?!

言動も…すべて制限されているはずじゃ…」


八雲の言葉に、“遊馬”は

すっ、と狐の面を外して、答えた。


「…裏切るも何も……

俺はもともと、お前らの仲間じゃねぇよ。」





すると、遊馬が、私を見下ろしながら、
にっ!と笑って言った。


「俺は、狸の社長の仲間。

………だろ?佐伯。」


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