百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


「…これは…?」


周くんが尋ねると、雅は書類を見つめながら答えた。


「遥と、紺が交わした、“契約書”さ。」





それを聞いて、私たちは驚いてその書類を
見た。


遥の………“契約書”…。


遥は、ずっと、これを無効にしたくて、紺の言いなりになってたんだ。


雅が、書類をめくりながら口を開く。


「詠たちが紺を追いかけて山に向かった後、俺はこの書類を探すために、カンパニーに戻ったんだ。

あの日、カンパニーには紺も、八雲もいなかったから、探すには絶好の機会だったし」


それを聞いて、私は、雅と別れた時の
ことを思い出す。

確かに、雅はあの日、竜ノ神を探しに行く
わけでもなく、山とは正反対の方向に飛んで行った。


……あれは、これを盗むためだったんだ?


すると、周くんが、雅を見ながら尋ねた。


「…契約内容が、どういうものなのか…読めたりする?」



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