百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜


****


放課後。


私は、スクールバックを肩に、街中を歩いていた。


頭の中は、今朝の周くんとの話のことでいっぱいだ。


今日一日中、そのことが気になりすぎて、全然授業に集中出来なかった。



……九条 遥って、そんなに悪いやつなのかな…。



私は、藍色の髪の青年を思い浮かべる。



確かに、あいつは冷たいし、暴言吐くし、変態だし、優しさのかけらもないし

人のこと、“彼女”とか言って抱きしめるし、いきなり屋根の上から現れるし


……いつもは人をからかってばっかりなのに、急に真剣な顔をしてくるし……



………。



そこまで考えて、私は、はぁ、と息を吐いた


結果、やっぱり悪いやつなのかも。


周くんがそう言ってるんだもんね。


第一、私は、アイツと出会ってからアイツのいいところ一回も見てない。


……いや、忠告はしてくれたんだっけ。



“妖の世界は、お前が思ってるほど簡単でも、優しくもねぇ。”


< 49 / 512 >

この作品をシェア

pagetop