居場所をください。



「ま、美鈴なら知っても大丈夫

って私は信じてたけどね。」


「そう?私なんかが?」


「だって美鈴がずっと迎えを待ってたこと

誰よりも知ってるもの。

あの人が不安を感じているようなことはない

ってわかったわ。」


「不安に感じてた?長曽我部さんが?」


「うん。

親に愛され守られてきた兄なんか

きっと会いたくもないでしょうから。

って言ってたの。」


「まぁ私実際親が迎えに来たら

ぶん殴ってやろうと思ってたからね。」


「でもできなかった、でしょ?」


「結局私は誰かに甘えたかっただけみたい。」


「美鈴は大人になるのが早かったからね。

私に迷惑をかけることもなくここまできた。

少しくらい、困らせてくれてよかったのに。」


「別にそういうつもりじゃなかったけど…。」


「ふふ、そうね。

無意識に大人にならなきゃって思ってたのかもね。

あなたの無邪気な笑顔、小学生から

ずっと見れていなかったから。

大人になると笑ってばかりもいられない。

だから子供のうちにいっぱい笑っておきなさい。」


「うん。最近はよく笑ってるよ。

くだらない言い合いで笑えるようになったよ。」


「テレビの前だと作り笑いなのに?」


「あれ、バレてた?」


「私は美鈴の母ですからね。」


「ママには敵わないね。」



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