居場所をください。



「もう誰も頼らない。

自分で探すからいい。」


「美鈴。

貴也は必ず帰ってくるって言ったんだ。

必ずここに帰ってくるって。

それまで待ってろ。

今行ったって突き放されるだけだ。」


「でも「振られたいのか?」


「え…」


「美鈴が行ったら貴也はきっと別れを告げる。

そしたら美鈴は貴也のところにいく理由がなくなるから。」


「なにそれ…。

その程度だったってこと?」


「逆だろ。

そこまでしてお前を守りたいんだ。

いい加減わかってやれよ。


貴也はお前を捨てたわけじゃない。

だから待っててやれ。

あいつは必ず帰ってくる。」


「……………そんなの信じられない。

必ずなんてない。

私がその言葉を信じて何年待ってたと思ってるの?

なのに来てほしかった人は私の前に現れない。

私はお母さんに迎えに来てほしかったのに!」


……………私はひどいことを言ったかもしれない。

ううん、絶対に言った。


でもそんなことに構ってなんかられない。


「……………みんなして嘘ついてたなんてね。

やっぱりここには偽りしかなかった。」


私は立ち上がりドアに向かった。


「美鈴!」


「仕事は来る。

でも今は誰の顔も見たくない。」


長曽我部さんに背を向けたまま言い、

私は会議室を出た。


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