居場所をください。



「7月に話すようになって

8月で付き合って順調だった。

初詣とか行った時に

一緒に東高行こうとか約束してたし。」


「……………似合わない。」


「うるせーよ。


塾は22時に終わるんだけど

俺らの親普段迎えに来ないから

一緒に帰ってたんだよ。

その頃はまだ俺んち花屋なんてやってなくて

両親働いてたから帰ってくんの遅くて

彼女んちもおんなじ感じだったんだよ。

だから毎回彼女を家まで送ってた。

だけど1月下旬くらいに珍しく父さんが迎え来て

この時期に恋愛ごっこなんかしてる場合か

とか言い出して、彼女をおいて

俺だけ家に帰らされた。


……………その日の帰り道に

彼女レイプされた。」


「え…。」


「22時すぎに女が一人で歩いてれば

そうなる可能性もあるだろ。

でも俺は彼女からそれを聞くことはなかった。

だけど、様子はずっと変だった。

手を繋ぐこともできなくなったし

近づくこともできなくなった。

それから1週間くらいで

彼女がレイプされたって噂が広まって

俺もそこで初めて知った。

写真が回ってたんだと。

結局俺はなにもできないまま彼女は不登校。

俺にも一切会おうとはしなかった。

家にもいったのにな。


だから俺は女を夜道一人出歩かせない。

何かあってからじゃおせーから。


前にお前からあの男にされてたこと聞いたとき

どこにもそんなやつがいるんだなって思った。


お前を送ったのはお前のためじゃなくて俺の自己満足。」


「守れなかった彼女の代わりに、ってとこか。」


「そ。」


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