居場所をください。



「さてと、歌う曲も決まったし

あとはパフォーマンスだけど

体育館だしなぁ。


ダンサーはつけれても4人だな。

バンドは入らないだろう。録音でいこう。」


「カラオケじゃーん。」


「しかたねーだろ。

だいたい金もかかるし準備もかかる。

テレビもそうだろ。」


「はいはい、我慢します。

ダンサーはユリ姉とハル、瞬、凛ちゃんにしよ。」


「そうだな。

照明も当たりっぱなしだし

パフォーマンスはあんまりできないな。」


「そこらへんは今じゃなくてもよくない?

それよりさぁ、私その日文化祭回れないの?」


私がそういうと佐藤さんがスケジュールを確認した。


「その日はファッション誌の企画呼ばれてる。」


「えー、企画内容は?」


「まだ未定。」


「じゃあ一高で撮ればいいじゃん。

仕事もできて私も回れて

一高はただで宣伝になるし。

一石三鳥だよ。」


「でもそれを学校側が納得するか、だろ。

たぶん雑誌の方は中高生向けだから

制服着崩し方みたいな企画組めたりするけど

学校側を説得できんのかよ。」


長曽我部さんが言った。


「私や高橋みたいな落ちこぼれがいっても

ダメだろうねぇ、きっと。」


「俺まで巻き込むなよ。」


「高橋、その金髪言われないの?」


「言われる。でも朔也は言われねーし

天才とバカの差だな。」


「私たちじゃ無理そう。

っていうか、そういうの長曽我部さんの仕事でしょ。」


「私立なら宣伝で乗ってくるけど

あそこ都立だからな~。しかも進学校。

美鈴みたいのはむしろ隠したいんじゃねーの。

なのに俺らが行っても門前払いだろうな。

しかもそれで制服の着崩しを雑誌でやろうもんなら

名を落とすからな~。

美鈴があの学校好きとかならまた違うけど

お前嫌いだろ。」


「まぁねぇ…。」


「利益なしに、学校を説得できねーと。

俺らより生徒が説得しなきゃだろ。」


……………なるほどねぇ。


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