居場所をください。



「佐藤さん、私外行っていい?」


「別にいいよ。空きくらい自由にしなよ。

次は14時だからね。」


「はーい。

高橋、お昼行こ。」


「え、俺もー?」


「どうせ暇でしょ?」


「美鈴のおごりな。」


「えー。お金ない。」


「それは嘘だな。」


「まぁ安いからいいけど。

行こ。」


私は高橋を連れて会社を出た。


「さすが大手は違うなー、やっぱ。」


「いや、ほかを知ってるわけ?」


「朔也の別れた彼女

名前なんだっけー」


「白石百合?」


「そうそう。

あいつもモデル事務所入ったらしいよ。」


「え!そうなの?

見たことないけど…。」


「その事務所めっちゃ小さくてさー。

誰でも入れるからセキュリティもくそもねーし

会議室とかもねーし。

俺も朔也と一緒にいったことあるけど

こんなんで芸能活動してんのかって感じ。」


「なんてとこ?」


「たしかー…後藤プロダクション?」


「ふーん。知らないや。

長曽我部さんに聞いてみよー。」


「絶対黒い噂とかあるよ。

もういる人がそんな感じ。」


「黒ねぇ。怖いねぇ。」


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