居場所をください。
30分後…
「ただいまー!」
施設につき、私が大きな声で言うと
栞奈が奥から出てきた。
「美鈴ちゃん!」
「あ、栞奈!ごめんね、遅くて。」
「ううん、いーよ。
日曜日だし私も寝てたの。」
「そっか。
あ、早く行こ。
うちの鬼を待たせてるから。」
「鬼?」
「うん、行こ!」
私は栞奈の手を引き、車へ向かった。
「お待たせしましたー!」
「あ、お願いします。」
栞奈は長曽我部に頭を下げた。
「どーぞ。」
長曽我部さんは微笑んで栞奈に言う。
「…どこらへんが鬼?」
「鬼?」
「うわ、栞奈それ禁句!」
「おい、美鈴。
誰が鬼だって?」
「……………ほら、鬼化した。」
「俺はいつでも優しいわ。」
「えー。」
「お前をここまで送ってやったのは誰だよ。」
「はいはい、優しい優しいお兄ちゃんですね。」
「鳥肌たつ。」
「失礼な!」
全く。