居場所をください。
「……俺がなにか行動を起こしたところで
あいつに影響はしねーだろ。」
「動揺はする。
隼也がコクったときだって
今にも泣きそうな顔をして俺のところにきたんだ。
やっと見つけた居場所を壊さないためにって
大事なやつほど悩むやつだ。
亜樹が美鈴にコクれば同じように悩む。
だから俺も、美鈴からお前らを奪いたくない。
亜樹から美鈴を奪うこともな。
だから、美鈴を悩ませるようなことはするな。」
「……………わかったよ。」
「悪いな。」
「別に。
どうせうまくいくなんて思ってもねーし。」
「そうやってなにもしてねーのに諦める癖
どうにかしろよ。」
「今回はひかるくんが頼んできたんだろ。」
「そうだけど。」
なんなんだよ。どっちなんだよ。
「ってかさー、ずっと聞きたかったことあるんだけど」
「なんだ?」
「ずっと会ってなかった妹を
突然妹だと思えんの?女と意識したことねーの?」
「女として意識したことは全くない。
妹だと思えてるのかわかんねーけど
恋愛とか友情とか仕事とかそういうの関係なしに
俺が今一番大事なのは美鈴だよ。
親とも、亜樹とも違う感情。
だから妹って意識はあるんじゃねーかな。」
「愛してる?」
「愛してる。」
俺が笑いながら聞くと
ひかるくんはすげー真面目に答えた。