居場所をください。



ご飯をいっぱい食べた私たちは

長曽我部さんの服を見に行く。


「長曽我部さんも白パンツ履けばいいのに。」


「白ー?」


「足長いから似合うよー。」


「白ねぇ…。」


「あ、このライトグレーとか。

こっちより白くないから履きやすいじゃん。

春だし~。」


「まだ12月だけど。」


「あぁ、そうだった。

でもいいじゃん。

1ヶ月ちょいで立春だし。

先取り先取り。」


「……まぁこの色なら今でも履けるか。」


「そうだよ!

たまには薄い色のボトムも着なよ。」


私が押しまくって、

やっと長曽我部さんは決断をしたみたい。


試着に向かった。


「かっこいい彼氏さんでいいですね。」


着替える長曽我部さんを待ってると

店員さんに話しかけられた。


「彼氏じゃないですよ。

兄です。」


「あ、お兄様ですか?

お二人の雰囲気がすごくよかったので

恋人同士なのかと思いました。

仲がよろしいんですね。」


「……………はい。」


まぁ兄妹感はないのかもしれない。

長曽我部さんと服を買いに来たのも初めてだ。


ううん、妹として一緒にいるのは

まだ1年と少しだけ。


兄妹には見えなくて当然なのかもしれない。



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