居場所をください。



「こんにちは。」


うわ、人いたのか。


「こんにちは。」


そこには30代後半くらいの

おじさんがいた。


「今から歌うんでしょ?

声だししなくていいの?」


……………発声ってこと?


「どうすればいいんですか?」


「それもわからないの?」


……………そんなのもわかんないくせに

ここに来んなよ、とでもいいたいのだろうか。


「お待たせ!」


はやっ!待ってないけど。


「社長、この子です。」


「うん、見た目はいいね。華があるし、若い。

じゃあとりあえず聴かせてもらおうか。」


「美鈴ちゃん、こっち。」


私は長曽我部さんについていき、

ヘッドホンをつけられた。


「音楽流れてきたら歌ってね!」



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