居場所をください。



「貴也はもう戻ってこないかもしれないから。」


「え、なんで…」


「本人がそういった訳じゃないんだけど、あいつ

俺の次の更新って8月ですよね?

って無表情のまま言ったんだ。

美鈴でも意味がわかるだろ。」


「更新しない気?

じゃあそのまま引退…。」


「そういうこと。」


「なんで…だって絶対帰ってくるって…」


「そんくらい、母親の存在がでかかったんだろう。

今の貴也は脱け殻状態。今のままじゃ演じられないって

自分でもわかってるんだよ。

きっと今まで母親のために頑張ってきたんだろうな。」


「なんで……やだよ…」


「だから言わなかった。

美鈴がそんな顔するってわかってたから。」


「……私になんにも言わずに…?

もう会うことも出来ないの…?」


「美鈴…。」


「私はまた置いていかれた。」


我慢していた涙が溢れて

頭がいたくなるくらい、泣いた。


「でもな、美鈴。」


長曽我部さんは泣く私を抱き締め、続けた。



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