居場所をください。



「孤独な看病生活を支えてたのは美鈴なんだ。

貴也はいつも美鈴の歌を聴いていたし

美鈴が出る番組も欠かさず見ていた。

ブログも、ラジオも欠かさず。


貴也を支えてたのは確実に美鈴だよ。」


「そんなの…」


「負けてられないんだろ?

なら頑張れ。

またあいつが歩き出せるように

今はお前が支えてやれ。

彼女だろ。」


「……………彼女…。」


「美鈴まで立ち止まってたら

あいつも進めない。

美鈴は諦めんな。」


「……それは…」


「お前はひとりじゃない。

俺はお前をもうひとりにはさせない。」


「うん…」


「だから、次は美鈴が伝えてやれ。

ひとりじゃないって。」


「うん…」


「いい加減泣き止め。」


「うん…」



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