居場所をください。
私はショーパンにツアT、パーカー。
そしてフードをかぶり、サングラスをかけ、
マスクをする。
「変出者かよ。」
「朝の太陽は辛い。
まだ目がさえないから。」
だから眼鏡ではなくサングラス。
「眠いなら美容院で寝とけ。
今日は夜までだからハードだぞ。」
「うん。」
私は結局車でもうとうとして
気がついたらもう美容院だった。
「美鈴、長さはどうする?」
「え、私に選ばせてくれるんだ。
胸下くらい。」
「じゃあスーパーロングかな。」
あとは美容師さんが勝手にやってくれるし
私はいつもの席に座って寝るだけ。
「……………すず!美鈴!」
「…ん……」
あれ…完全に寝てた……。
「できたよ。どう?
結構多目につけたけど。」
美容師さんの言葉にハッとして
私は鏡を見た。
「うわー、すごい。
すっごい馴染んでる。」
ショートだったとは思えないくらい自然だ。
「長さも長くてちょうどいいです。」
「ひかるは?なんかある?」
「いや、いい。
急で悪いな。」
「いいよ。大事なお客様だし。
ね?美鈴ちゃん。」
「ありがとうございます。」