居場所をください。



それから俺は美鈴ちゃんを佐々木に託して

控え室へ戻った。


「あれ、ハルだけ?」


「あぁ、みんな練習です。

俺はトイレ行ってから行くって言ったんで

もう今から行くとこです。」


「ふーん。

それよりさ、ハルって

美鈴ちゃんのこと好きなの?」


「え、なんでですか?」


「さっき美鈴ちゃんにぴったり近づいて寝てたから。」


「ただの寝返りですよ。」


「って言えば済むと思って寝たフリしてたとか。」


「……なんのことでしょう。」


「たまたま美鈴ちゃんを起こしに行ったのが

俺だったからよかったし、見逃せるけど

長曽我部さん相手だと誤魔化せねーからな。」


「さっき寝てたのはマジですよ。」


じゃあ寝てる美鈴ちゃんの隣にいたら寝ちゃった

ってところか。


「変なことはしてねーよな?」


「当たり前じゃないですか。」


「そ。

ならいいわ。

練習行ってこい。」


「はい。」


まぁ寝てるところを襲うほど

ハルもバカじゃねーか。


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