居場所をください。
「とりあえず……私、髪の毛とか顔平気?」
「あぁ、全然問題なし。」
コンコン……
「あ、来たよ。」
「うぇぇぇ!
緊張する!」
「なんで美鈴が緊張するんだよ。
相手の方が緊張してるっつーの。」
そう言いながら長曽我部さんはドアに向かった。
「はい。
……あぁ、どうぞ。」
長曽我部さんちょっと怖いよ。
笑顔笑顔。
私に初めてあったときの
あの優しい笑顔はどこへ行った。
「失礼しまーす…」
あ、女の子だ。
歳は…近いかな?
よし、演じないと!!
「どうぞ。
もっとこっち来なよー!」
明るい女の子だよ、美鈴。
「うわー、美鈴ちゃんだー…。
可愛い!細い!
あ、あの私高梨希依(たかなし きい)と言います!
17歳の高2で、この近所にすんでます!」
「希依ちゃんかぁ、かわいい名前だね!
高校生なのに遅くまでごめんね?」
「い、え!美鈴ちゃんと会えるなら
全然大丈夫です!
親も迎えに来るので!
あ、あの…一緒に写真とかって大丈夫ですか?」
「あ、うん!いいよー!
スマホとかなにかある?」
「あ、はい!」
「じゃあ長曽我部さん、お願い。」
「はいはい。」
はいはいって。
無愛想だね。まったく。
「撮るよー。」