居場所をください。



「美鈴ちゃんってお菓子とか食べるの?」


「お菓子はねー、ほとんど食べないかな。

施設育ちでずっとお金なかったし

この世界入ってからは太らないように

食べないようにしてるしね。

でもケーキは食べるよ?

誕生日もクリスマスも。

お菓子は食べたいとか思わないけど

誕生日とかクリスマスは

ケーキ食べたいなーってなるしね。」


「じゃあ次の質問~。

弱ってるときってどうする?」


「弱ってるときって精神的に

ってことだよね?」


「たぶん。」


「そういうときはもう

泣いちゃうのが一番じゃない?

我慢しても結局むなしかったりするし。

泣いてスッキリするのが一番だよ。」


「美鈴ちゃんって泣くの?」


「亜美ちゃんは私をなんだと思ってるの。」


「あはは、ごめんね。」


「次いくぞー?

施設出身ってことを公表した理由は?」


「んー、別に秘密にしようとか

敢えて言おうとかは思ってなかったけど

バレちゃったから言っただけって感じかな。

でもやっぱり施設出身だってことを

後ろめたいとか思ってないし

あそこは私の実家にかわりないわけだし、

親がいないことを特別だと思ってなくて

私にとってそれが当たり前の環境だから

言ったからなにか反応がほしかったわけでもないし

本当に理由なんかないよ。

私にとって特別なことじゃないから

黙ってるつもりも、わざわざ言うつもりもなかった

ってだけかな。」


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