居場所をください。



「よ。」


「弘希もいたんだ。」


ってことはやっぱり

旅行は弘希と弘希のお母さんと

3人でってことか。


「ケンカ?」


「……………私が一方的にかなー」


「香水こぼしたの俺。悪いな。」


「あ、そうだったんだ。

とんでもなく臭かった。」


「だからってそんなキレんなよ。

父さんすげー落ち込んでるけど。」


「だって臭いのほんと嫌いなんだもん。

しかもハルたちとご飯もいけなかったし。

暑いから同じ練習してても前より疲れるし

ライブの次の日いつも休みなのに

今週は休みなくて打ち合わせだったり

ラジオもやったりで休めないし

お腹もすいてたし

疲れと空腹と匂いでストレス爆発。

タイミング悪いにもほどがあるし

私が臭いのも暑いのも嫌いなの知ってて

休みがないことだって知ってるくせに

せっかく早く終わったのにまた仕事って

いい加減キレるよ。」


「まぁそういうなよ。

旅行中だって美鈴のこと気になって

仕方なかったみたいだし。」


「別に長曽我部さんいなくたって

私はちゃんと仕事してるし

佐藤さんだっているし

長曽我部さんに言われたことは

ちゃんと全部してたし。

信用されてないのかな。」


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