居場所をください。
会場についてからは
私は歌って踊っての最終確認。
瞬は長曽我部さんに呼ばれ
新曲のためのダンスやフォーメーションの打ち合わせ。
私は踊らない方向らしいけど。
そういえば貴也は
私のライブ来てくれたりするのかな。
前は来てくれたんだよね?
CDも買ってくれてるみたいだし……
最終日はぜひ来てほしい。
ここにいるところは見ててほしい。
「美鈴来て。」
遠くにいる長曽我部さんに
拡声器で呼ばれ、私は走って向かった。
「なんでしょう。」
「最終日は手紙も歌うんだろ?」
「うん、そう。
東京1日目にwanderingを追加、
最終日に手紙を追加でお願いしたいけど
できる?大変?」
「いや、大丈夫。」
瞬が率いるダンサーも
江口さん率いるバンドメンバーも
迷うことなく頷いてくれた。
「で、第1部、本ステージは
wanderingで幕をおろす。
1日目はそのあとMCな。
で、2日目は
wanderingで幕を下ろしたあと
手紙でアンコールの幕を開ける。
手紙を歌ったあとにMCで、
手紙の登場はセリ。」
「うん、いいよ。」
「じゃあこれで決まりで。
よろしくお願いします。」
アンコール一発目が歌か。
最終日だけ。
最終日が楽しみなような
終わってしまうのが寂しいような……
少し複雑だ。