居場所をください。
「長曽我部さん、髪の毛乾かして。」
お風呂から出た私の一言目。
「楽屋へ行こう。」
「うん。」
私は長曽我部さんに連れられ
楽屋へと戻ってきた。
「どうした?元気ねーな。」
「なんか……自分の小ささを知った。
なんていうのかな。
私なんかより、みんなの方が頑張ってて
笑顔になってもらいたいって思ってて
楽しい時間を過ごしてもらいたい、
そう思って今日までやって来たんだけど
"幸せな時間をありがとう"
って書かれたボードをみて、
こちらこそ、って素直に思って
元気もらってるのはこっちの方だったなって。
誰かのために何かをするのは
そんな簡単なことじゃない
って前に長曽我部さんに言われたの思い出して
私ってまだまだだなって思ったって言うか…
私は私のために歌手をやってるんだなって
なんか改めて思った。」
ちっぽけなこんな私が
誰かになにかを伝えるのは
本当はとっても難しいことだったんだ。
「……それでも
美鈴と時間を共にしたいって
みんな何かを頑張って、今日来たんだろ。
ちゃんと人のためになってるよ。
明日からまた頑張ろうって
少なくとも俺は思ってるし
ハルも、さっき
次もがんばんねーと!って意気込んでたし。
お前の頑張りを俺らはちゃんとわかってるから
俺らもまだまだがんばんねーとって思ってるよ。」
「役に立ってる?」
「むしろいてもらわねーと困るわ。」
「……そっか。」
「髪の毛乾かすから、動くなよ。」
「うん。」