居場所をください。



大切な人がそばにいてくれる

それだけで十分なんだよね。


薄っぺらい関係なんていらないよね。


「さーてと、やっとご飯だね。

美鈴ちゃんたちはここで食べてくの?」


「ううん、たぶん

ここでは食べていかないかな?」


「そっか。

じゃあ今日は頑張ってね。」


「うん、ありがと。」


それから貴也も戻ってきて

佐藤さんが迎えに来て、私たちは

稽古場を出た。


「今日長曽我部さんくる?」


「本番前には来るよ。」


「そっか、よかった。」


長曽我部さんがいないと

私はすぐ緊張するから。


長曽我部さんが来る、というだけで

ひと安心する。


「えーと、これが貴也の弁当で

こっちが美鈴ちゃんね。」


車に乗るなり、

私たちにお弁当を渡してくる佐藤さん。

車の中で食べろってことだよね、これは。


「なんで俺だけこれなんだよ。」


ん?


「………あ!長曽我部さんのお弁当だ!」


「そりゃ仕事以外のことなら

美鈴ちゃんだけを贔屓するから。

長曽我部さんも。」


「………仕方ないか。」


「なんかごめんね?」


「いや、いいよ。」



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