居場所をください。



ピンポーン…


『あ、今降りるね!』


あれから10分、長曽我部さんの部屋を押すと

美鈴の声が聞こえた。


「ごめんね、お待たせ!」


「おう、ひさしぶり。」


久しぶりに会う美鈴は相変わらずきれいだった。


「よかった、身支度しといて。」


「午前中どっか行ってた?」


「長曽我部さんに頼まれてスーパーにね。

隼也は?」


「俺は撮影だった。

今日は早く終わったんだよ。」


「へー、お疲れさま。

どこ行く?」


「ファミレス。」


「えぇ、絶対バレるって。

しかも変装全くしてないし。」


「あ、忘れてた。」


俺はだて眼鏡をかけた。


「これでよし。」


「どこが。」


「まぁいいじゃん。」


俺はタクシーを拾ってファミレスに向かった。


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