居場所をください。
「あ、俺今日トマト気分だったんだよ。」
料理を運んでたらいつの間にか貴也。
「出るのはやっ。」
「シャワーだけだし。
美鈴は浸かるだろ?
溜めてきたし。」
「あ、ありがと。」
こ温かいお湯に必ず入ることも
長曽我部さんの指示。
本当に習慣となってる。
「同じ事務所に外村さんっているじゃん?」
「え、誰?」
「知らねーのかよ。
外村晋吾さん。40台の俳優。
この前まで刑事ドラマやってた。」
「あー、目細いワイルド系?」
「あーそうだな。
その人さっきCM撮影で一緒でさ
今日トマト食いてーなって一人言言ってたら
苗やろうか!って。
もう夏おわんのに今更
トマトの苗もらってもあれだし
美鈴に聞いてみますって言っちゃったから
もしかしたら美鈴に聞かれるかも。」
「私話したことないし
っていうか会ったことすらないから
たぶん大丈夫だよ。」
「まぁそうだと思うけど
もし聞かれたらどうすんの?」
「めんどくさいからやだ。
私基本的にそういうのダメなんだよね。
スーパーで買えばいいじゃんって思っちゃう。
農家とか私には絶対向いてない。」
「まぁそんな気がしたけど。
効率の悪いことはしないもんな、美鈴。」
「うん。
それで虫来たらやだし掃除も面倒だし。
天気の悪い日に家の中に入れたり
考えただけで無理。
ペットとかならいいけど、植物はなし。
サボテンとかならいいけどさ。」
「俺そういうの飾るの嫌いだし。」
「なら我が家に緑が入ることはないね。」
「まぁ花束とかなら全然いいけどな。」
「はは、それはまた別だよね。」
決して花が嫌いなわけじゃないから。
亜樹んち行くといつもきれいだなって思うし。