居場所をください。



「はい、到着。

俺と佐藤は会議あるから戻るな。

美鈴はあとで打ち合わせあるから。

撮影押さないように。」


「貴也も別の撮影があるから

あとで俺が迎えに行く。」


と、長曽我部さんと佐藤さんが

私たちに伝えて

私たちは挨拶をして車を降り、

スタジオへと入った。


「おはようございまーす」


「おはようございます。」


とりあえず私と咲さんは

一緒に控え室へと入って身支度。


「佐々木さんおはよ!

今日は私を中学生にしてね。」


「任せて。」


とりあえず私は

生まれてはじめてセーラー服を着た。


「実際のセーラー服ってこんな可愛いの?」


「まぁ撮影用だからね。

実際はネクタイじゃなくてヒラヒラなリボンだし

スカートもそんな短くないよ。」


だよね。

でもセーラー服にこのネクタイは可愛い。

私はやっぱりネクタイのが好きだ。


それからファンデを塗り、眉毛を整え

ビューラーをして、終わり。


「マスカラは?」


「マツエク変えたばっかりでしょ。

そんなにしたら素っぴんに見えないから。

カラコンもせっかくナチュラルだしね。」


「あー、なるほど。」


「リップだけは塗るよー。」


最後に、黒の長いウィッグをかぶって

今日の私が完成する。


「はは、デビュー前の私だ。」


黒髪、懐かしいや。



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