居場所をください。



「ってかなんか高橋痩せた?よね?」


「受験生だからな~。

勉強ばっかしてたら筋肉落ちた。」


「あ、そういうことか。」


私は席につくなり、口を開く。

メニューはいつも通り高橋にお任せ。

焼き肉って頼むのめんどくさいんだよね。

ハラミとホルモン食べられたら満足。


「早く俺も酒飲めるようになりてー。」


「あと2年じゃん。

でも二十歳越えてもタバコはダメだよ。」


「俺の親か、お前は。」


お酒はまだいいとは思う。

加減すれば。

でもタバコっていいことないしね。

せっかくやめたんだから

また吸い始めないようにさせないと。

………って、これじゃ確かに親かも。


「美鈴は酒飲めんの?」


「禁酒~。

声が枯れるし太るからだめなんだって。」


「少しくらい太れと思うけど。」


「でも気抜いたら一気に太りそう。

お金に余裕あると余計に。」


前はお菓子とかジュースとか

飲めるほど余裕なかった。

ご飯はママの作ったものだけ。

太ることができなかっただけ。

今はそんなことないもんね。

お菓子もジュースもなんでも買えちゃうから

買わないようにしないと。



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