居場所をください。



「これいつ放送なんですか?」


「11月3日です。」


「俺ら使われますかね」


「それは我々では決められませんが…

逆にお二人は放送されて大丈夫ですか?

事務所的に…」


「大丈夫じゃないですかね?

社長、美鈴には甘いんで。」


「大丈夫ですよ。

貴也は社長のお気に入りなんで。」


すべての主導権はあの人が握ってるから。

長曽我部さんもきっと

映画の宣伝に使うだろう。

11月3日ならまだ映画は終わってないから。


「じゃあそろそろいきますね。

遅刻しちゃうんで。」


「あ、足止めしてすみません。

貴重なお時間ありがとうございました。」


5分足らずの時間に頭を下げるスタッフさんに

私たちもお礼をいい、また足を動かした。


「もー、貴也のばか。」


「別にいいだろ。

快く受けといた方がイメージアップ。

仕事だけやっとけばいいってもんじゃねーの。」


…なるほど。さすがですな。

そういうところが芸歴18年に

繋がっているんだろうなぁ…

見習おう、うん。



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