居場所をください。
"やっぱりご飯いらない"
そう貴也にメールをすると、
貴也から電話がかかってきた。
『長曽我部さんと飯食わなかったのか?』
「あー…会ってないの。」
『なんで?いいわけ?それで』
「もう話は聞いたから。別の人から。
………長曽我部さんに会いたくないの。今は。」
…ううん、もう長曽我部さんには頼れない。
あの人の時間を私が奪っちゃダメなんだって
そんなことにようやく気づいたから。
『………俺も早く帰るから。』
「ううん、いいよ。
これから高橋とご飯行ってくるね。」
『わかった。
でも早く帰るから。』
「うん、わかった。
じゃーね。」
とりあえず電話を切って
私はまたタクシーに乗り込んだ。