居場所をください。



「お前らも美鈴ちゃん、探してんの?」


俺は、躊躇なくこの二人に話しかけた。


「………誰。」


金髪の男は警戒心むき出しの目で

俺のことを睨みながら聞いてきた。


「俺はひかるの友達。

長曽我部ひかる、知ってるだろ?」


「…証拠は?」


と、今度は松野貴也から。


「んー、と

確か写メが…あったあった。

ほらよ。」


それは前、樹生の店に美鈴ちゃんが来たとき

俺が隠し撮りした美鈴ちゃんとひかるの写メ。

ついでに、俺とひかるのふざけた写メ。

美鈴ちゃんには断られたから。


「で、ひかるの連絡先。着信履歴。

………信じた?」


「………美鈴を探してるって

なんで知ってんですか?」


「ひかるから聞いたから。

ひかるさ、今家から離れられなくて

それで俺らに頼んできたわけだよ。」


「は?…美鈴のことなのに、ですか?」


「逆だよ。

美鈴ちゃんのことだから。」


「意味不明。

長曽我部さんは美鈴のこと

いつだって何よりも大事にしてきたのに」


「あいつにも大事なものが

他にもできたってことだよ。」


………にしても松野貴也

テレビと違いすぎねーか?

こいつ、こんな顔もするんだな。


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