居場所をください。



「…………うそ、でしょ?」


「よう、美鈴。

久しぶり。」


そこにはなぜか

和也と、和也に肩を抱かれた大橋かなの姿。


「俺免許とったんだよねー」


いや、そんなことは聞いてない。

なんで二人が一緒に…


「………二人は付き合ってるの?」


「そ、今の彼女はかな。」


「ちょっと。今のってなんなのよ。」


「はは、悪い悪い。」


「…3人に共通点なんてあった…?」


「さっき、朔也くんのことが

好きだって言ったじゃない?

朔也くんの元カノ、後藤プロで

かなちゃんと同じ事務所なの。

二人を別れさせたくて

朔也くんの元カノのところに行って

朔也くんはまだ美鈴のことが好きだよ

って伝えてあげたの。

その時たまたまかなちゃんと知り合ったの。」


「…………は?」


「…ほんっと鈍くてイライラする。

朔也くんは、まだあんたのことが好きなの。

いい加減気づきなさいよ。」


…………いや、それは嘘でしょ?

だって朔也…彼女の浮気が原因で冷めたって…

あれは嘘だったってこと…?


「で、かなちゃんと知り合って

私が美鈴のことが嫌いって話してさ

そしたらかなちゃん、

貴也くんとキスしてるんだもん。

あれにはびっくりしたよ。」


とクスクス笑う夏音。


「…じゃあ、あれは私を落とすために…」


「まぁ私も貴也くんに惚れてたのもあったから?

ちょうどいいやと思って。」


「でも結局あんたは落ちなかった。

だから徹底的にやってやると思って

和也くんを探したってわけ。

…………ま、計画たててるうちに

いつの間にかこの二人、付き合ってたけど。」


…信じられない。



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