居場所をください。



それからしばらくして、

豹変した和也が私に近づいてきた。


「和也…?」


その表情は以前とは全く違っていて

…………こんなに怖い和也は初めてだった。


「美鈴も一回入れといた方が

気持ち良くなれるぞ?」


「…………え…?」


入れるって…もしかして……


「ほら、まだ少し残ってるし~。」


…………覚醒剤…!


「い…いや…」


「そんな怖がんなって。

まぁ注射は怖いもんなぁ。」


「……待って…!

ちょ…なんでこんなこと…」


「…………なんでって」


私がそう聞くと、

和也はなぜか寂しそうに笑った。


「美鈴、忘れたのかよ。」


「…………え?」


そう話し始めた和也の顔は

昔と変わらない顔をしていた。


「俺が親がいなくて寂しがったとき

美鈴が言ったんだろ。

私がいるじゃん、って。

俺がいるから寂しくないって

美鈴が言ったんだろ。

一緒に頑張ろうって…………

約束しただろ、ここで。

忘れたのかよ」


…………そうだ…子供の頃に……


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