居場所をください。



そのあとすぐに警察が来て、

二人を連れていった。


「…美鈴、本当にいいのか?」


「うん、いい。」


だけど夏音だけ、私は警察に渡さなかった。

いわゆる、示談ということにして。


「ひとつだけ聞きたいことがあるの。」


だけど帰す前に、私は夏音に聞きたいことがあった。


「私を車にのせたのは誰?」


「…あぁ、島田くん?

一高だけど。」


「………そっか。」


「俺はこいつと話があるから。

美鈴は誰もいない間に服を着ろ。」


そういって、長曽我部さんは

私を残して外へ出ていったから

とりあえずそそくさと服を着た。


長曽我部さんのジャケットだけじゃ

下が見えそうで、立つことすらできなかった。


そして服を着終えたところで

長曽我部さんが戻ってきた。


「………大丈夫か?」


「うん、平気。

………長曽我部さんこそ、大丈夫なの?」


「は?なにが?」


「今日、弘希たちとご飯だったじゃん。

やっと時間ができたんだからさ

再婚もするわけだし…いい加減

私のお世話するのやめなよ。

私別に大丈夫だし。」


「………大丈夫じゃなかったろ。

俺が来なかったら打たれてたろ、薬。

覚醒剤なんてものは一回入れられると

抜け出すのがすげー大変なんだからな?」


「………別に、長曽我部さんには関係ないじゃん。」


「は?」


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