居場所をください。



「実はさー

会いたい人に会う企画の番組の

オーディションがあって…「嫌です。」


急にカメラを止めたかと思えば

まさかの仕事の話。

マネージャーだから仕方ないけどさ。


「でも美鈴ちゃんが出るなんて

きっと視聴率とれると思うよ?」


「私別にテレビ出たい訳じゃないし。

オファーが来たら出るけど

わざわざオーディション受けてまで

テレビに出たい訳じゃないです。」


「そっかぁ、残念。」


……その全然残念そうじゃない顔が

なんだか怖いよ、私は。


「ね、明日早く来てもいい?」


そう聞く頃にはまたカメラが回っていた。


「うん、いいよ。

7時頃でいい?迎え。」


「うん、大丈夫。

もう期限がないから、なるべく早く

完成させたいんだ。」


「……今回は本当に頑張るね。」


「だって、長曽我部さんは

私のためにずっと頑張ってきてくれたから。

長曽我部さんに気持ちが伝わるなら

もっともっと頑張れるよ。」


ずっと一緒に走ってきてくれたから。

今度は私の番だよ。


「よし、帰ろ。」


< 3,807 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop