居場所をください。
「実はさー
会いたい人に会う企画の番組の
オーディションがあって…「嫌です。」
急にカメラを止めたかと思えば
まさかの仕事の話。
マネージャーだから仕方ないけどさ。
「でも美鈴ちゃんが出るなんて
きっと視聴率とれると思うよ?」
「私別にテレビ出たい訳じゃないし。
オファーが来たら出るけど
わざわざオーディション受けてまで
テレビに出たい訳じゃないです。」
「そっかぁ、残念。」
……その全然残念そうじゃない顔が
なんだか怖いよ、私は。
「ね、明日早く来てもいい?」
そう聞く頃にはまたカメラが回っていた。
「うん、いいよ。
7時頃でいい?迎え。」
「うん、大丈夫。
もう期限がないから、なるべく早く
完成させたいんだ。」
「……今回は本当に頑張るね。」
「だって、長曽我部さんは
私のためにずっと頑張ってきてくれたから。
長曽我部さんに気持ちが伝わるなら
もっともっと頑張れるよ。」
ずっと一緒に走ってきてくれたから。
今度は私の番だよ。
「よし、帰ろ。」