居場所をください。



『見てみたいんだとさ。仕事してるとこ。

美鈴が人気な理由を知りたいんだってさ。』


………ってことは

やっぱり美鈴のことは認めてないんだな。


「ふーん。

ま、ツアーは初日と最終日以外

そこまでとりにくいこともなかったけど

カウントダウンは2日間しかやらないし

とりにくさはあるかもな。

まだ俺もどのくらい申し込みがあるか

把握できてねーけど

明後日がファンクラブ枠の申込締切日だし

欲しいなら俺の会員番号で申し込むけど。」


美鈴、絶対に一枚たりとも

知り合いだろうが仕事関係者だろうと

渡すなっていってたしな。


『………父さんファンクラブ会員なわけ?』


「ちげーわ!

0から10はスタッフに振り分けられるんだよ。

社長が0で、俺は1。

だからまぁ一応申込は出来るんだよ。

で、どうするんだよ。」


『んー、じゃあ一応頼む。』


「まぁ当日券も用意あるし

外れたら30日早朝から並べば

たぶん入れるしな。」


『早朝って、何時?』


「さぁ?わかんねーけど

電車が動く前からだろうな。

なんせ10枚しか用意なしだから。

当日券販売は15時からだから

かなり過酷ではあるけど。」


『………なんつーか

それだけでも美鈴の人気度がわかるわ。


まぁいいや。

とりあえず申し込んどいて。

俺寝るから~』


「はいはい、わかったよ。

じゃあ母さんには忘れずに伝えとけよ。」


『りょうかーい』


「じゃ、おやすみ。」



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