居場所をください。



さてと、チケット申込…

………ったく、なんで俺が…


あ、そうだ。


『プルルル…プルルル…

はい。お疲れさまです。』


とりあえず俺は遅くなる前に

貴也に電話をかけた。


「おう、お疲れ。

美鈴、近くにいるか?」


『いえ、今風呂いってますけど。』


「そ、なら今は貴也一人か。

あれ、どうすんの?」


『…もちろん、やりますよ。

せっかく長曽我部さんから

いただいた話ですから。』


「でも、本当はマネージャーとしては

あんまり納得はできないんだけどなー。」


『自分から言っといて何言ってるんですか。

だいたい、長曽我部さんがマネージャーのうちに

やりたかったことなんじゃないんですか?

自分が結婚する前に、

やり遂げたかったんじゃないんですか?』


「まぁそうなんだけどさ。

とりあえず美鈴には気づかれずに

こっちも佐藤と計画練ってるし

貴也は貴也で準備しとけよ?」


『はい、大丈夫ですよ。

長曽我部さんも連れていきますから。』


「は?なんで俺まで」


『長曽我部さんだって、

必要になるんじゃないんですか?』


あ、そうか。

俺もいるのか…


「わかった。

じゃあまた予定空いてるときにでも行くか。」


『3日で。』


「3日?あー、確かに美鈴

一高行くだろうしな。」


『しかもさっき、夕方も用事あるって

断られたばっかなんで。

絶好のチャンスですよ。』


「了解。じゃあ3日な。」


『はい。

じゃーそろそろ美鈴出てくると思うんで

電話切ります。』


「おう。おやすみー」


………ま、これでいいか。

いいんだよな。


俺も、いつまでも

立ち止まってるわけにはいかないしな。



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