居場所をください。
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「…すっげーホテル。
こんないいとこで打ち上げすんの?」
「みたいだね。」
私に聞かれてもわからない。
ここを決めたのは、長曽我部さんだから。
「超私服なんだけど。
ドレスコードとかないよな?」
「そんなの私が設定してるわけないでしょ。
全然大丈夫だよ。」
たぶん。
「さてと、みんな降りるぞ。」
「あ…私着替えたいから…
先にみんな行ってて。
貴也だけ残って。」
「はいはい。
…じゃあ俺がつれてくんで。
長曽我部さんは先に言っててください。
長曽我部さんいないと向こうも困るだろうし
隼也が来たらなにって思うだろうし。」
「……じゃあ、鍵だけ頼むな。」
「はい。」
貴也がそういうと、
長曽我部さんはみんなを連れて
中へ入っていった。
「で、ここで着替えんの?
スモークは濃いけど…前から見えんじゃん。」
「長曽我部さんは私がいるとき
必ずブランケットと毛布を乗せるの。
たぶん今日も後ろに…ほら、あった。
はい、貴也。」
「……もしかして、これを使って
俺にカーテンをやらせる気か?」
「他にどんな理由があるのさ。
早く早く。」
「ったく、仕方ねーな。」
貴也は文句を言いつつ、
運転席と助手席の後ろで
両手を広げて毛布で後ろを隠した。
「いいって言うまでそれお願いね。」