居場所をください。



それからは5分しないで

また長曽我部さんが戻ってきて

帰り支度を始めていた。


その横でスマホをいじっていると


「長曽我部さーん!!」


そう呼ぶ、美鈴のでかい声が聞こえて

長曽我部さんはすぐに、席を立った。


「なんかひかるくん、召し使いみたいじゃね?」


「まぁ間違ってないと思うけど。それ。」


あの人はどこまでも

美鈴の世話焼きで大忙し。

いっつも美鈴にこき使われてる気がする。


「まぁそれが生き甲斐か、ひかるくんは。」


「そうそう。」


なんて話を亜樹としていたら

長曽我部さんに連れられ美鈴が戻ってきた。


「あれ、高橋と亜樹も来てたんだー。

早いじゃん。飛行機?」


「なわけあるか。

飛行機は時間が合わねーから新幹線。

つかそんな時間かかんねーし。」


「はは、そっか。

今からご飯行くけど二人とも行く?」


「その予定。」


「そか、お待たせ。

じゃあいこ!」


「え、俺らだけ?」


「うん。

ダンサーもバンドさんは

これから打合せするんだってさ。

佐藤さんは佐々木さんと荷物整理。

今日は私だけがはやく終わったの。」


ふーん。そういう日もあるのか。


「さて、お好み焼きお好み焼き!!」



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