居場所をください。
コンコン…
「長曽我部です。」
「入れ。」
「失礼します。」
私たちは一緒に社長室を訪れた。
「どうした?」
「今は子供として来た。」
「なんだ、急に。
ここでは珍しいな?」
「美鈴のことでな。」
「……………私、五十嵐美鈴は
五十嵐星菜の娘です。」
私は事実を告げた。
「母の治療のため、野いちご園に預かられました。」
「父さん、俺も知ってる。
美鈴は父さんの娘なんだ。
本当は隠しておきたかったけど…
でもマスコミが美鈴の出を知って流した。
いつか父さんが気づくて思って
だから先に…。」
「……………そうか。」
社長は小さく言った。