居場所をください。



「すまなかった。

星菜にも悪いことをした。

俺は妻子がいながら……………」


「でも、社長がいなければ…

社長とお母さんが愛し合わなければ

私はここにはいません。


社長がお母さんのことをちゃんと愛していたなら…

奥さんと長曽我部さんには悪いけど

私はそれだけで十分です。


愛されて生まれてきた子なら

私はそれだけで…」


なぜだかわからない。

娘と認められたからかな。

涙が溢れてきたよ。


「美鈴さんは俺のことを恨んでないのか?」


「……………恨んでた。

なんで私には親がいないんだろうって。

あの手紙には必ず迎えにいきますって書いてあったのに

いつまで待っても迎えになんか来なくて……………


施設にいるのが嫌で嫌で仕方なかった。

私の居場所なんかどこにもなくて……………

でも迎えにいきますって言葉だけを信じて待ってた。

会いたくて会いたくて仕方なかった。」


私は泣きながら社長に言った。



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