居場所をください。



「施設、何件か紹介してもらったの。

医師と介護士、看護師が常駐してるとことか

何件かあってね。そこに行こうかなって。

貴也には迷惑かけないから。

お金も貯めてきたし。


今は薬で痛みが引くから

今のうちに家も片付けて売ろうかなって。


もう古いし、あっても困るでしょ?

とにかく、やれることはやらないと。」


「……………勝手に決めんなよ。」


「……………それ以外、ないでしょ?」


「…とにかく、俺も考えるから。

勝手に決めんなよ。」


「時間がないの。

今しか…。入院したら外へ出るのは辛くなる。

迷ってる暇はないの。

ごめんね。


……………今日は遅いから帰りなさい。」


俺は帰るしかなかった。

母さんの意思は強くて

俺にはなんにもできねーのかと思い知った。



俺、今までなにかしてきたか?

芸能界入れたことを恨んだこともあったけど

今はこの仕事が好きで、母さんに感謝もしてて…

なのに16で家出て金だけ渡して…

辛かったはずなのに…気づくこともできなくて…



俺、情けねーな…。




< 955 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop