人と人形
人形
アルside


俺は商人をやっているもの、あの島へ訪れた理由は、
あそこでしか取れないという医薬に使う花を入手しに
来たのだ。


あの島に来る人は少ない。


物騒だと聞くが、どうしてかは知らない。


この船には船員以外の人間は僕を含んでも4人だけだ。


強いまなざしを浴びながら揺れる船の上、島が見えてきた。


そのときある男が笑顔で尋ねた。


「はじめまして。君、若いけど見たところ商人だね。」


「はい。そうですが。」


「名前は?わしはサム・グリーソン。」


「僕はアル・バーネス。アルと呼んでください。」


「今日は本当に暑いね。」


「そうですね。」


という他愛のない会話をしていると、サムは真剣な顔でこう言った。


「単刀直入に言うけど、気をつけろよ。あの島はいろいろ物騒だと聞くからね。」


「なら、サムさんはなぜあの島へ?」


「わしは冒険家でな、興味があったんだよ。」


「そうだったんですか。でも、なぜ、あの島が物騒だといわれるんでしょうか?」


「それはね、生きている人形がいるんだと。」


「えっ...。」

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