人と人形



「はっはっは。君もこういう話を信じるんだね。」


そういうと俺に手を差し伸べた。


「えっ。うそっ、だったんですか。」


サムの手を取り、そう問いた。


「いや、友人は本当に言ったよ。だからこそ秘密を暴きにここに来たのだよ。」


「はぁー、そうですか。」


「まあ、遠慮はせずともよい、しばらく一緒にいるんだ。よろしく、坊主。」


「...はい。」

 
この人は心臓に悪い人だ。距離を置いたほうがよさそうだ...。

 
ここに来たのは間違いだったのかも。

 
さっさと終わらせて、さっさと帰るか......。

 
すると、この船に乗った人たちのひとり、怖い顔をしたおばあちゃんが言った。


「おぬしら、いい加減にせんかい。人形様を馬鹿にすると祟られるぞ。」


その声で俺の背筋がゾッとした。

 
何なのだあの島は。


「っはい、す、すみませんっ。」
< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop