人と人形
「はっはっは。君もこういう話を信じるんだね。」
そういうと俺に手を差し伸べた。
「えっ。うそっ、だったんですか。」
サムの手を取り、そう問いた。
「いや、友人は本当に言ったよ。だからこそ秘密を暴きにここに来たのだよ。」
「はぁー、そうですか。」
「まあ、遠慮はせずともよい、しばらく一緒にいるんだ。よろしく、坊主。」
「...はい。」
この人は心臓に悪い人だ。距離を置いたほうがよさそうだ...。
ここに来たのは間違いだったのかも。
さっさと終わらせて、さっさと帰るか......。
すると、この船に乗った人たちのひとり、怖い顔をしたおばあちゃんが言った。
「おぬしら、いい加減にせんかい。人形様を馬鹿にすると祟られるぞ。」
その声で俺の背筋がゾッとした。
何なのだあの島は。
「っはい、す、すみませんっ。」