未来が見えない『Previously invisible』

✜✜ 鉄槌を下す

直ぐに、警察の人が見えて
経緯の説明、写真、レントゲン
CTの説明をおこなった。

そこへ　
<　コンコン　>
スーツ姿のキリッとした男性が
入ってきた。

俺は、慌てて院長をみると
「ほぉ、蓮君、直々に？」
「はい、朝は失礼しました。
おじさん、ご無沙汰しています。」
と、その男性は院長に言った。

俺は、
「あの‥‥、院長？」
「あっ、五十嵐先生、こちらは、
水上　蓮君　警視正殿だよ。」

「えっ？警視正が、DVとかにも
でてくるのですか？」
と、言うと

「あっ、失礼しました。
水上と申します。
琴音さんの弟さんですか？」

「はい、初めまして
五十嵐　匠、内科医です。」
と、言った。

「実は、昨夜貴方からお電話頂いた
凪は、私の妻でして
凪は、少し前に琴音さんの事を
知っていたが、琴音さんに
口止めされていたようです。
妻は、自分のせいだと‥‥自分を
責めていたのと
お家がら、一般の方ではないので
私が出向きました。」

「えっ、凪さんの？
そうですか、凪さんにはお仕事上
ご迷惑おかけします。

凪さんのせいでは、
決してありません。

弟である、私が知っていて
何もしなかったのですから。」

「ありがとうございます。
凪にも伝えます。
で、今回、通報したと言うことは
見切りをつけたのですね。」

「はい。秋山大悟とその両親、
うちの五十嵐の両親に
鉄槌を下してください。

姉は、何度も逃げ出し
両親にも訴えたのです。
ですが、両家は結託して
連れ戻し
その後の暴力は、酷くなる一方
だったようです。

姉が、月紫を守る為に
言わないで欲しいと、言うから
黙ってきました。

結婚だって、あんなに嫌がっていたのに
無理矢理させられて‥‥‥
代議士同士の政略結婚か、
何かしりませんが。

何度も逃げて、
何度も助けを求めても
両親は助けませんでした。

だから姉は、二度と助けを求めない
と、決めたようでした。

ただ、両親や秋山の家の恥を
他人に言うことも出来ず
自分さえ我慢したら良いと、
思っていたみたいですが。

だが、もう、無理です。
姉は、優しくて日だまりみたいな
人なんです。顔も凄い美形で‥‥‥」
と、言いながら涙が溢れた。