未来が見えない『Previously invisible』

✜✜ あれ?


俺が、なんて答ようかと
思っていると今度は
「樹、仕事は?」
と、言った。

俺も樹さんも何か、おかしいと
感じた。
あんな思いをして、別れた樹さんに
対しての態度じゃないから。

「あっ、月紫は?」
と、また・・・

俺は、
「姉さん、質問するから
答えてね。
姉さんの名前と歳は?」
「渡瀬 琴音、30才」

「姉さんの子供は?」
「月紫、三歳よ。
樹と子供の名前は
男でも、女でも、月紫にすると
決めていたの。
ねぇ、樹。」

「姉さん、両親は?」

「‥‥‥‥うん?
‥‥‥‥あれ?たっくん、両親って?
‥‥どうだっけ?
‥‥あれ、顔も、わからない‥‥
‥‥えっ、たっくん‥どうしょう?」

「落ち着いて、じゃ、姉さん
姉さんの一番の友逹は?」

「うふふっ、由依よ。なぜ?
真さんと結婚して
ほのかが生まれて
月紫と仲良し。」

「姉さんの職場は?」

「ピアノを教えてるの
水上凪ちゃんと
仲良しなのよ。
凪ちゃんも結婚してるはず。」

すると、樹さんが
「凪ちゃんは、蓮の嫁だ。」
「あれ?そう?
蓮さんの?そうだったかな?」
と、言ったから

「姉さん、五ヶ月意識なかったんだ
記憶も混んどくしてるよ
ゆっくり行けばいいよ。
ちょっと、樹さんと
飲み物買ってくるから
ゆっくりしてて。」

「うん、わかった。」
と、言うと
樹さんは、姉の頭を撫でて
一緒にでた。
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