未来が見えない『Previously invisible』

✜✜ 目覚め?


更にふた月が過ぎた。
姉が、病院に運ばれて五ヶ月になる。

姉の体は、殆ど完治していた。
鼻の酸素チューブだけだ。

体の痣は、消えないものもあるが、
かなり綺麗になった。

『本当に綺麗な
  お姉さんなんだな』
って、先生方や看護師から言われる。

院長や院長夫人も
目を開いた所が早く見たいと。

由依さんや真さん、凪さんは、
元気な時の姉をみているが
蓮さんは、見てない時期があるから
「本当に、久しぶりに見たが
あの頃から、変わってないな
儚げで、日だまりみたいな人だった。」
と、言ってくれた。

そんな夜、俺が姉の元で
仕事をしていると
< コンコン >
     ガチャと

「………えっ……樹さん?」

「長く、来れなくて済まん。」
と、言って

姉の手を握りしめ
「琴音、長く来れなくて済まん。
少し、仕事を片付けてきた。

まぁ、気持ちの整理もあったが。

だが、変わらないな、お前は。
綺麗で……儚げで……」
と、言って
頬をそっと撫で上げた。





すると………姉の目が………

  …………………開いて…………


「……い…つ……きっ…?…」
と、言って樹さんの手を
握り返した。
「琴音っ、琴音、わかるか?」
「姉さん、姉さん?」

姉は、頷いた。

それから、金井先生が来てくれて
「これで、大丈夫だ。
   検査は、また明日。」
と、言って
喜んで帰った。

「水分は、少しなら良い。」
と、言われたから
少し上げた。

姉は、俺をみて
「たっくんっ·····
  私はっ·······どうしたの?」
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