未来が見えない『Previously invisible』
姉は、義兄さんの胸に顔を埋めていた。
「琴音、大丈夫だからな
          帰るぞ。」
と、言うと、
コクンと、頷いた。

老夫婦は、びっくりしていたが
声をかけることが出来なかった。

琴音は、自分達に気づかない?
目に入ってなかった
まるで、他人‥‥
匠も月紫も、琴音に精一杯で
私達には、気づいてなかったようだ。

まあ、自分達もそれだけ
変わってしまったのだけど。
(五十嵐の両親)


樹の会社の方は、
琴音を見て、びっくりというか
見とれていて
そして月紫をみて、
また、びっくりした。

沢山のモデルを見てきている
自分達が、見惚れる?
あり得ない事に、
驚きが隠せなかった。

樹さんは、俺達に
「悪い、明日会社で。」
と、言って

奥さんに
「琴音、大丈夫か?
少しは、落ち着いたか?」
と、聞いた。

「うん、大丈夫。
樹、会社の方でしょ。
下ろして。」
と、言われて、
樹さんがおろすと
「いつも、樹がお世話になっています。
妻の琴音です。
無様な格好をおみせして
お恥ずかしい限りです。」
と、言って頭を下げた。

会社の方々は
「とんでもない。
頭をあげて下さい。」
と。

琴音は、まだ、少し顔色は、
悪いが、顔あげて微笑んだ。

すると、会社の人達は、
真っ赤な顔をした。

すると、樹は、
直ぐに琴音を抱き締め
「おいっ、見るな。」
と、言った。

月紫と匠君は、
「「あ~あ、パパ・義兄さんの
ヤキモチだ。」」
と、言った。

「樹、なんてことを。」
と、琴音も言うが
「琴音は、俺んだ。
琴音も、家族以外に笑わなくていい。」
と、言うから

琴音と月紫と匠は、呆れて
会社の人達は、大笑いをしていた
「樹さんが、そう言われる
気持ち、わかりますよ
この奥様でしたら。」
と、言うから

琴音は、樹に抱き締められて
赤面してるし
月紫と匠も、笑っているし
ガヤガヤ、言いながら
空港を後にした。

匠は、樹の会社の方に
「すみません。
姉は、事件に巻き込まれて
人に対して過剰に恐怖に
襲われます。
そのときは、兄でないと
対処できないんです。」
と、言うと
「そうなんですね。」
と、納得していた。
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