未来が見えない『Previously invisible』
俺達は、毎日電話で話した。

琴音も月紫も
渡瀬で、楽しくやっているようだ。
良かった、ホッとした。

蓮夫婦や真夫婦も
琴音と月紫を心配して
顔を見せにきてくれているみたいだ。

親父達も匠君も
楽しんでくれているようだ。

中々、仕事が進まずに
一週間が過ぎた。

こちらでも、俺の結婚は、
話題になっていて
あちこちで質問攻めだった。

10日経ちやっと、
帰れる事になり
琴音にも知らせた。

すると、月紫が匠君に頼んで
迎えに来ることになったらしい。
が、俺には内緒の話だ。


月紫と琴音は、たっくんと
空港に向かった。
月紫は、久々にママと
出られて、ウキウキしていたが
匠は、樹さんに聞いた事で
心配だった。
ただ、姉は、それを気づいてない?
月紫も喜んでいるから‥‥


空港に着いて、
義兄さんを待っている間も
人混みも凄くて
姉は、辛そうだった。

トイレに行きたいと言う月紫に
俺が付いていった。

琴音は、そのとき
老夫婦にぶつかり
「ごめんなさい、大丈夫ですか?」
と、その婦人。
琴音は、その人を見ずに
「‥‥‥‥はい、‥‥大丈夫です。」
と、震えながら、やっと答えた。
なぜだか、わからないが
身体のふるえがとまらず
身体が硬直してくる

老婦人は、本当に大丈夫なのかと
心配して、尚近づこうとする・・

そこで、男性が、そっと
琴音を抱き締めた。

「琴音、大丈夫か?」
「‥‥‥‥樹?‥‥」
「ああ、俺だ。
わかるか?心配ないよ。」
「‥うんっ‥ごめんね、お帰り。」
と、言ってると
「パパ!!」
「おっ、月紫も来てくれたのか?」
と、言って、琴音を抱き締めた逆の手で
頭を撫でた。

匠は、
「姉さん!大丈夫?」
「ごめんね、たっくん心配かけて。」
「匠君、月紫を頼めるか?」
「はい、義兄さん。」
と、答えると

義兄さんは、姉さんを抱き上げた。
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